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ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』(1992)
僕は初めて見たとき「うおお、世界ってすげえ」という、震撼するような感動がありました。ただ、それをどう言葉にしていいものかずっとわからなかった。今回見直してきて驚いたのは、台本が一行も書かれておらず、起きたことをすべて受け入れた、とエリセ本人が語っているにもかかわらず、ほぼずっと完璧な構図の画面が続くこと。しかも、友人の画家エンリケ(・グラン)と長い話をするところがビデオになるところ以外は、ずっとフィルム撮影ですね。その点だけをとっても本当に不思議な映画だと思うんですが、いったいどうやって作られているのか。
——三浦哲哉発言、濱口竜介・三宅唱・三浦哲哉『演出をさがして 映画の勉強会』フィルムアート社、2025年、86-87頁